越境EC・海外販売をするのであれば、著作権を守ることが大前提です。著作権について知らなかったでは済まされませんし、著作権侵害をして訴えられたりしたら、大きな代償を払うことになるかもしれません。
本記事では、越境EC・海外販売をする上で注意すべきネットでの著作権について解説します。画像の無断転載など、著作権侵害をする行為に走らないようにしましょう。
越境ECにおける画像の著作権侵害に注意
たとえば、海外のECサイトに掲載されている画像や写真を、自社のECサイトに転載したとしましょう。このケースは著作権侵害にあたるでしょうか、あたらないでしょうか?
答えは「著作権侵害にあたる」です。
画像の無断転載は、越境ECで使用するかどうかに関わらず著作権侵害になります。海外からの転載ならOKということはありません。
反対に、自社のECサイトで使っている画像が海外のECサイトで使われた場合、著作権を侵害されたことになります。
国ごとに著作権のルールが異なるので判断が難しい部分もありますが、基本的には映画やドラマ、アニメ、ゲームなどの作品やキャラクターには、海外に対しても著作権が発生します。小説や漫画を無許可で翻訳し販売するのも著作権侵害です。
文学的著作物や美術的著作物は基本的に「ベルヌ条約」で国を超えて保護されており、他にも「万国著作権条約」や「世界知的所有権機関条約」などで著作権が保護されています。海外だったら無断で使用してもいいというわけではありません。
では、アニメのキャラクターを手書きしてECサイトに掲載したり、勝手にキャラクターグッズを制作・販売したりした場合はどうでしょうか?
これも「著作権侵害」になります。
手書きであっても、その著作権のあるキャラクターだとわかる内容であれば著作権侵害になりますし、無許可でキャラクターグッズを制作・販売してはいけません。
これらは、国内での著作権侵害の常識で考えれば当たり前のことですが、越境ECということで甘く考えている方もいます。「海外のサイトなら転載しても大丈夫だろう」という考えは間違いです。
海外ECサイトからテキストをコピペするのも著作権侵害
海外ECサイトに掲載されているテキストをコピペし、自社ECサイトの商品解説にそのまま使うのも著作権侵害となります。Web上の文章にも著作権がありますし、海外サイトからのコピペならOKというわけではありません。
海外ECサイトの商品解説を参考にしてオリジナルの文章を書くのであれば著作権侵害にはなりませんが、コピペした文章を掲載するのはNGです。
ただし、引用のルール内であれば著作権者に許可をとらずに掲載することはできます。
引用のルールとは引用であることを明示し、引用が説明文の主体にならないようにするのが基本的なルールです。説明文の中でオリジナル文章よりも引用の占める割合が多いと著作権侵害になります。
海外での販売権の注意点
海外で商品を販売する際は、その国や地域での販売権に注意しなければなりません。
たとえば、ヨーロッパではCASIOやSEIKOの時計が販売できません。ヨーロッパ向けにCASIOの時計を販売するのであれば、CASIOの承認が必要です。
オークションサイトの「eBay」でCASIOの時計をヨーロッパ向けに販売すると、商品の削除、または警告が来ます。知的財産権を保護する「VeROプログラム」の一覧にCASIOは掲載されていませんが、CASIO商品をヨーロッパ向けに販売することは禁止されています。
G-SHOCKなどは海外でも人気なので、「越境ECで販売すれば売れるのでは?」と考えてしまいますが、CASIO商品がヨーロッパでの販売が禁止されているなど、特定の国や地域で販売ができないことがあるので注意してください。
「マイナーなサイトなら大丈夫だろう」という考えは危険
映画やアニメ、小説などの作品だけでなく、Web上で公開されている画像や写真、テキストは基本的に著作権で保護されています。Web上のコンテンツは誰かの著作物ですから、絶対に無断コピペや画像転載はしてはいけません。
「マイナーなサイトなら大丈夫だろう」という考えは危険です。有名であろうとなかろうと著作権に区別はないですし、盗用が発覚したら大きな代償を払うことになるかもしれません。今は画像からでも検索ができるので、マイナーなサイトからの盗用も簡単にバレます。
著作権や商品説明ページの作成など、越境ECや海外販売で不安がある方にはeBayでの越境EC代行「かんたんトレードサービス(かんトレ)」の利用がおすすめです。「かんトレ」では、商品説明ページ用の翻訳や海外バイヤーからの問い合わせなどをサポートしているため、安心して越境ECや海外販売を行っていただけます。
越境ECや海外販売をする上で外国語対応が一番の不安かと思いますが、「かんトレ」の担当者とは日本語でやり取りしていただけるので、英語などの外国語ができなくても心配ありません。越境ECや海外販売をする上での疑問点や不安があれば、気軽にお問い合わせください。
おわりに
最後にもう一度強く言っておきたいのは、「海外サイトからの転載なら大丈夫」「バレなければいい」という考えは危険だということです。画像であれテキストであれ、Web上のコンテンツを無断転載するのは著作権侵害にあたります。
国内でも海外でも無断転載は禁止されていますので、絶対にやってはいけません。越境EC・海外販売をするのであれば、著作権を守った上で運営をしましょう。